仕事帰り、お腹が空いてコンビニに寄った。
「何か買おう」
そう思って入ったのに、30分経っても決められなかった。
サラダチキン? でも昨日も食べた。
サラダ? でも物足りない。
おにぎり? でも炭水化物だし…
パン? 絶対ダメ。
お弁当? カロリー高すぎる。
カップ麺? 論外。
棚の前をウロウロして、 商品を手に取っては戻す、を繰り返していた。
店員さんの視線が気になり始めた。
「この人、何してるんだろう」って思われてそう。
結局、何も買えずに店を出た。
お腹は空いたまま。
心は疲れたまま。
家に帰って、冷蔵庫を開けた。
中には何もない。
また泣きそうになった。
「何でこんなことになってるんだろう」
食べたいものを、素直に選べない。
お腹が空いているのに、食べることが怖い。
昔はこんなじゃなかった。
コンビニに寄ったら、好きなものを買って、 美味しく食べて、それで終わりだった。
いつから、こんなに複雑になったんだろう。
次の日、同じコンビニに寄った。 今度は決めていた。
「一番食べたいものを買う」
手に取ったのは、明太子パスタ。
カロリーは見なかった。
成分表も見なかった。
レジに並んで、お金を払った。
家で食べた。
美味しかった。
久しぶりに「美味しい」と思えた。
罪悪感より、満足感の方が大きかった。
食べ終わって、ふと思った。
30分迷って何も食べない方が、 5分で決めて美味しく食べる方より、 本当に良いことなんだろうか。
カロリーを節約できても、 心を削っていたら、意味がない気がする。
完璧なダイエットより、 普通に食べられる毎日の方が、 私には必要なのかもしれない。
次コンビニに寄る時は、 30分も迷わないようにしたい。
5分で決めて、美味しく食べる。
それができるようになりたい。
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