半年ぶりに、高校の同級生H美と会った。
「わー!久しぶり!」
「元気だった?」
そんな会話の後、H美がじっと私を見た。
「…ねえ、痩せた?」
来た。待ってた言葉。
「うん、ちょっとね!」
私は嬉しそうに答えた。
でもH美の反応は、想像と違った。
「えー…大丈夫?なんか、疲れてない?」
え?
「痩せたけど、なんか顔色悪いっていうか…」
「前の方が元気そうだったよ」
その言葉に、固まった。
痩せたね、じゃなくて。
綺麗になったね、でもなくて。
「大丈夫?」
帰り道、ずっと考えてた。
鏡を見ると、確かに痩せた。
でも、H美の言う通り、顔色は悪い。
目の下にクマができてる。
「痩せたら褒められる」と思ってた。
「痩せたら羨ましがられる」と思ってた。
でも、心配された。
次の日、別の友達にも会った。
やっぱり同じことを言われた。
「痩せたね。でも…無理してない?」
褒め言葉じゃなかった。
心配の言葉だった。
ショックだった。
こんなに頑張ったのに。
こんなに我慢したのに。
でも、もっとショックだったのは、 自分でも気づいてなかったこと。
私、いつから笑わなくなったんだろう。
いつから会話を楽しめなくなったんだろう。
友達と会ってる時も、頭の片隅で、
「今日の食事、カロリーどのくらいだろう」
「明日はどう調整しよう」
そんなことばかり考えてた。
目の前の友達より、体重の方が気になってた。
そりゃ「元気なさそう」って言われるよな。
H美からLINEが来た。
「今日は心配させてごめんね。でも本当に無理しないでね」
その優しさが、逆に胸に刺さった。
私、間違ってたかもしれない。
痩せることで得られるものより、 失ってるものの方が大きいんじゃないか。
友達との時間を楽しむ余裕。
心から笑える瞬間。 健康的な顔色。
全部、失ってた。
ダイエットをやめるわけじゃない。
でも、やり方は変えようと思う。
「痩せたね」より、 「元気そう」って言われる方が、 本当は嬉しいはずだから。
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