口腔衛生処置による感染対策Oral hygiene

歯から守る感染対策

お口の中の健康と全身的な健康、関係していないと思っていませんか?

実はお口の中を健康にすることによって感染症の予防ができることがわかっています。

インフルエンザ予防には予防接種と
歯のクリーニング!

約100年前の1918年から1919年にかけて、スペイン風邪と呼ばれているインフルエンザ(スペインインフルエンザH1N1型)が大流行し全世界で4千万人が死亡した出来事が起こりました。

歯周病細菌の除去

それからインフルエンザワクチン開発が進み、現在に至ります。それと時を同じくして、スペイン風邪のパンデミック時にインフルエンザウイルス感染と口腔感染症(むし歯・歯周病)の罹患率に相関性があると研究結果を唱えた人物がいました。

Weston PRICE(1870-1948年)、初代アメリカ歯科医師会研究所所長でアメリカ歯科医師会会長の経歴を持つ権威ある歯科医師です。
Weston PRICEの研究は時代を超え、昨今でも様々な論文として発表されています。

インフルエンザ世界的大流行時、歯周病の人とそうでない人では感染リスクに大きな違いがあったことがわかっています。

インフルエンザと口腔感染症の関係性に関しては、歯周病の原因細菌が持っているプロテアーゼという酵素がインフルエンザウイルスを活性化させると研究でわかっています。

なんと、歯周病でない人の感染は32%だったにもかかわらず、歯周病の人は72%もの人が感染し、重篤な状態になるケースが多かったことが明らかになっています。

また、新型コロナウイルスに関しても同じ理由で、歯周病の原因細菌がウイルスの活性化を助けるのではないかと研究が進んでいます。

・神奈川歯科大学副学長槻木恵一先生,the Quintessence.Vol.39No.5/2020-1083
・東京歯科大学名誉教授奥田克爾先生,新型コロナウイルスのパンデミックからオーラルヘルスを考える

免疫力を高める!
食事・運動・睡眠・口腔ケア!

感染症の原因になる細菌やウイルスなどの病原体が体内に入ってきたとき、人の体の中では敵から身体を守る「免疫」という防御システムがあります。
免疫力を高めると風邪を引きにくい・免疫力が下がると口内炎ができやすいなど聞いたことがある方も多いかと思います。

免疫力向上

規則正しい食事・運動・睡眠を心掛けることが免疫力を高めることに繋がりますが、実は口腔ケアも免疫向上に繋がることがわかっています。
口腔ケアと免疫のメカニズムには、腸内細菌が関係してきます。

定期的な歯のクリーニングなど口腔ケアを怠っていると、お口の中に歯周病菌が増殖します。増殖してさらに悪い菌になった歯周病菌が唾液とともに体内へ運ばれます。腸に到着すると、腸内細菌叢に変化を起こす悪さをし、腸内環境の乱れが生じます。

免疫細胞の70%が腸に存在していると言われているため、腸内環境の乱れが免疫力低下を招いてしまうのです。
逆に考えると、口腔ケアをしっかり行うことで腸内環境を守り免疫力向上に繋がるということになります。

・鶴見大学歯学部探索歯学講座教授花田信弘先生、野村義明先生、村田貴俊先生、岡本公彰先生,口腔微生物叢と歯のケアが腸内微生物叢に及ぼす影響

・Tanemoto Shun,Sujino TomohiSa and Kanai Takanori Division of Gastroenterology and Hepatology, Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine Intestinal immune response is regulated by gut microbe(Accepted October 6, 2017)

命を奪う誤嚥性肺炎

日本人の死因で上位に入る“肺炎”ですが、口腔内の細菌が肺に入り肺炎を起こす病気を“誤嚥性肺炎”と言います。
誤嚥とは、口腔内から食道を通過するべき食べ物や飲み物が、誤って気道に入ってしまうことです。

肺炎の重篤化の防止

特にご高齢の方は嚥下機能低下により、気がつかないうちに誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。

むし歯や歯周病に罹患している・磨き残しが多い・定期的に歯のクリーニングに通っていないという状態が続くと、お口の中の口腔細菌が増殖します。口腔ケアをしっかり行っておくことが、誤嚥性肺炎の予防に繋がります。

・Hayashida S et al. The effect of tooth brushing, irrigation, and topical tetracycline administration on the reduction of oral bacteria in mechanically ventilated patients: a preliminary study. BMC Oral Health, 16(1):67, 2016.

・Adachi M et al. Effect of professional oral health care on the elderly living in nursing homes. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 94(2):191-5, 2002.

・BrennanMT et al. The role of oral microbial colonization in ventilator-associated pneumonia. Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 98(6):665-72,2004

 

当法人では、4か月毎の定期検診と口腔内のクリーニングをお勧めしております。
患者様毎に適切な期間が異なりますので、歯科医師の診査診断の下、歯科衛生士からそれぞれ患者様に合った期間をご提案いたします。

ワクチンだけじゃダメ?

PRESIDENT誌によるとインフルエンザ流行の約6か月において歯科衛生士による専門的なお口の中のクリーニングを受けた人と受けなかった人ではインフルエンザ感染者数が約10倍も受けなかった人の方が多かったとわかっています。

ワクチンだけじゃダメ?

これからは、ワクチンと 併せてクリーニングが予防に不可欠となります。

・プレジデント(2020.5.15号) 海老沢聡先生 歯科医「口腔ケアで、あのウイルスの発症率が89.8%減りました

コロナに負けない!
本当の敵は自分の中に

歯周病になるとお口の中の細菌や毒素が全身へ広がっていきます。

コロナに負けない!

これを菌血症やエンドトキシン血症といい、歯周病の人は食事をするだけで40%がエンドトキシン血症を起こすと報告されています。

エンドトキシン血症を発症している人が新型コロナウイルスに感染すると免疫が暴走し自分で自分を攻撃して重症化する危険性があります。

・日本歯科医師会HP 鶴見大学教授 花田信弘先生 「新型コロナウイルス感染症に負けない歯と口の健康づくり

1件もありませんので
安心してお越しください

日本歯科医師会より公式に「歯科治療を通じて患者が新型コロナウイルスに感染した例は1件もない」と発表されました。

安心してお越しください

ITSでは、米ジョンズ・ホプキンズ大学にてCOVID-19コース受講修了医と日本口腔感染症学会会員の管理の下「完全個室」や「ディスポーザブル化」などを徹底することによって通常の医科や歯科よりも高水準の感染対策をおこなっております。